腎臓病の犬の食事。
獣医さんからも年が越せたらいいですねと言われていたし、
一時は調子が悪くて何も食べなくなってしまった日も何日かあり、
もうダメなのかも……と思った時もあったメリーですが、
一生懸命勉強したり、栄養士さんやお医者さん、獣医さん、
動物のフードライターさんなどに教えて頂いた栄養管理を実践していたら
最近ではかなり食べられるようになり、一時減ってしまった体重も元に戻りました。
(病気前8.0kg→病気発症後一時期7.5kg→現在8.2kg)

もちろん15歳という年齢や、腎臓病の性質を考えれば、回復は望めませんが、
余生をメリーにとって美味しいものだけを食べつつ、
腎臓病に最適な栄養管理をしながら下り坂を少し緩めることが出来たらいいな、
メリーが楽しく美味しく余生を過ごせたらいいな、と…。
私も最初は訳がわからず、ネットで調べたり、本を買ったり…。
特に同じ病気を持つ方やワンコのホームページやブログがとても頼りになりました。
なので、そのご恩返しに実践したことを少し書いてみようと思います。

興味のない方はもちろんスルーして下さいね。

※以下の情報は「慢性腎不全」のワンコに適応の情報を集めたもので、健康なワンコの栄養管理とはまったく異なりますし、腎臓以外の臓器に負担が掛かる可能性があります。腎不全の犬の場合、残された寿命を考えると他の臓器が先にやられるという可能性が低い為、腎機能保全を優先した栄養管理となります。実践に関してはもちろん自己責任でお願いします。腎臓病の療法食は諸説あり、また症状によっても違うので大変難しいものです。色々勉強した上で一定の根拠ある内容になっていますが、保証はできません。

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動物が生きて行く上で絶対に必要な栄養素は、大きく分けると「脂質」・「糖質」・「タンパク質」という3大栄養素です。

この中で、脂質と糖質はからだを動かすエネルギーとして使われた後、二酸化炭素や汗となって排出されますが、タンパク質だけは血となり肉となる重要なエネルギーとして使われた後、息や汗のほかに老廃物(尿素窒素等)になります。この老廃物を排泄できるのは腎臓だけなのです。排泄できないとどうなるかというと、毒素が全身に回って体調が極度に悪化します。それが腎不全の状態です。(人間なら人工透析をする状態)くわしくはこちら。

なので、腎臓病にタンパク質制限というのは定番ですが(これにも諸説がありますが)かと言って、特にタンパク質に関しては少な過ぎてもいけません。ご存知のようにたんぱく質は身体を動かすのに必須の栄養素だからです。

腎不全の犬の場合、たんぱく質は体重×2.2g位(8kgのメリーなら18g前後)が最低ラインと言われています。上限は体重×3.5g位だそうです。

また、腎不全はカロリー不足が大敵。腎性貧血にもなりやすいので、人間用の腎臓病療法食の通販サイトなどではカロリーや鉄分を補助するチョコレートやお菓子などがたくさん売られています。

なぜカロリー不足に気をつけないといけないかと言うと、腎不全は気持ちが悪く、体調の悪化で食欲不振も重なる為ということもありますが、たんぱく質を多く含む食品にはカロリーが高いものも多い為に自然とカロリー不足になってしまうのです。そして、カロリーや適度なたんぱく質が不足すると、身体に含まれる肉や血などからタンパク質が奪われてしまい(痩せる)、それを濾過するのに結局腎臓に負担が掛かってしまうのです。

簡単に言うと、ダイエットの逆、高カロリー低タンパクを目指すという訳です。
また、塩分はもちろん、リンやカリウムもうまく排泄できなくなる為、制限されます。
(カリウムは血液検査で高かった場合のみ制限。逆に低い場合もある。)

そして、たんぱく質も何でも良いという訳ではありません。
タンパク質には種類があり、必須アミノ酸をバランス良く含んだ腎臓に負担の少ない(老廃物の少ない)たんぱく質(アミノ酸スコアの高い食品)であれば、少量(下限)摂るだけで効率よく身体の栄養となり、腎臓で排泄(濾過)するものが少ないので、負担になりにくいのです。(これにも諸説あります。こちらを参照

大きく分けるとアミノ酸スコアの高い食品とは、たまごの白身やお肉など動物性たんぱく、
アミノ酸スコアの低い食品とは、野菜、穀物(小麦・米)などです。

アミノ酸スコアも奥が深く、組み合わせによってはスコアの低い食品同士を
上手に組み合わせることで100(点満点)になることもあるのですが、それを理解し、
計算できるようになる頃には、腎臓病による偏食で野菜や大豆製品などを好き嫌いなく
食べる事が出来なくなってしまったので、厳密な計算の必要がなくなってしまいました…。

カロリー不足の対策と言えば、たんぱく質を制限している以上、
脂質や糖質をどうしても多めに摂ることになります。

主食のお米や小麦には質の低いタンパク質が結構含まれているので、それを避ける為に、
1/35米というたんぱく質を35分の1まで減らしてカロリーそのままというお米を食べたり、
小麦の代わりにタンパク質をほとんど含まない片栗粉や葛なんかが重宝されます。

メリーもこれらを食べられるうちはしばらく食べていましたが
(腎臓病食屋さんで買ったでんぷんホットケーキも焼いてみましたが一口も食べず…)
そのうち、低たんぱくものだけでなく、普通の白米さえ(どんなレシピで工夫しても)
受け付けてくれなくなってしまいました。

パンの材料、強力粉にはたくさんたんぱく質が含まれているし、アミノ酸価は
米の方が小麦よりは良く、市販のパンには塩も入っているので本当は良くないのですが、
炭水化物を何も食べなければ痩せてしまうので、パンはみきぷーさん特製の
メリー専用米粉入り無塩パンを時々と、他に食べてくれる炭水化物というと、
肉まんの皮部分(薄力粉なのでたんぱく質が少なめでgood)のみというのが現状です。

腎不全のカロリー源で頼りになるものと言えば、タンパク質を含まない「脂」と「砂糖」です。

脂にも色々種類がありますが、腎臓病に良いのは「亜麻仁油」等と言われ、
「オメガ3」や「オメガ9」といった、必須不飽和脂肪酸がバランスよく含まれています。
が、残念ながらメリーは大嫌いでした…。
オリーブオイルも最初のうちは喜んで食べてくれましたが、今ではアウトです。ゴマ油もダメ。

最初の頃には鶏皮や霜降り牛なんかも食べてくれましたが、今はそれも受け付けません。

本来、脂の摂り過ぎは動脈硬化や中性脂肪の増加、肝臓に負担が掛かるなど、
当然良くないことも多いのですが、前述の通り、残された余生の時間を考えると、
脂肪の摂り過ぎによる新たな病気になる可能性より、腎臓病で食べられないことにより
栄養失調か腎機能の悪化により命を落とす方が先になりますので、
そこはカロリー優先ということになります。

メリーの体重維持に最低限必要なカロリーは500kcal/日。(体重8kg)
これを、一日18gのたんぱく質、出来るだけ少ないリン、カリウム、貧血なので鉄分、
その他適度なビタミンやミネラルなどを、犬用の腎臓病療法食の栄養成分を何社か見比べて
参考にし、指針とします。(療法食や今まで食べていたフードは一口も食べてくれません)

そして、メリーが喜んで食べてくれるごく限られた食べ物の中から選んで組み合わせていきます。



<総合栄養食>
ドッグフード類 ×(たまーにずっと食べていたドッグフードを食べてくれる時がある)

<炭水化物(糖質)>
白米・五穀米等 ×(ごくたまーに一口くらい食べる時がある)
パン      △(時々食べられる時がある)
肉まんの皮   ○(薄力粉原料なのでたんぱく質はパンより低め)
ナン      ×
ドーナツ    ×
ホットケーキ  ×〜△(一口くらい)
白玉      ×
どら焼き等   △(ごくたまに少量食べる時がある)
ケーキ等    △(最近はほとんど食べてくれない)
かぼちゃ    ○(かぼちゃプリンなら食べる)
さつまいも   △(スイートポテトなら時々食べてくれることもある)
じゃがいも   ×
ゼリー     ×
プリン     ×(タンパク質含有量と卵由来のリンが多く、あげていない)
砂糖・オリゴ糖 ○(かぼちゃプリンに使用)

<脂質>
オリーブオイル △〜×
サラダ油    ×
アマニ油    ×
アラスカンサーモンオイル ○(必須脂肪酸オメガ3系を豊富に含み、腎臓病に良い)
ゴマ油     ×
無塩バター   ○(ごく少量のたんぱく質を含むが十分OK範囲)
生クリーム   ○(ごく少量のたんぱく質を含むが十分OK範囲。かぼちゃプリンに使用)

<たんぱく質>(与える量は計算し、くれぐれも注意する)
大豆製品    ×
乳製品     ×
牛肉      ×
豚肉      ×
鶏肉      ×
馬肉      ○(特に馬刺が大好きだが高級なのでどうしても食べない時の為のキープ)
鹿肉      ○
羊肉      △
豚レバー    ○(貧血対策。たんぱく質の他にリンがかなり多いので注意)
鶏砂肝     ○(貧血対策。レバーよりはリンが少ない)
魚の刺身    ○(カロリーが低過ぎてタンパク質が高いので現時点ではあげない)
卵の白身    ○(黄身はリン等が多いためあげない。白身はそのままでは食べないがかぼちゃプリンに使用。白身はアミノ酸価100の食べ物の筆頭)

<ビタミン類>
柑橘類     ○(食物繊維が豊富で便秘に効く)
いちご     △
それ以外の野菜と果物は一切受け付けないので
ビタミン補給は療法食を参考にしながらサプリメントで。

とにかく売っているもので塩分の含まれない食べ物は何でも隅々まで探してみましたが、
少しずつ食べられるものも減って行く現実の中、食べられるものの中で上手に組み合わせ、
なるべく犬の腎不全療法食と同じ栄養成分を目指します。

栄養計算はこのサイトに非常に助けられています。

現在は、無塩バター(炒めたお肉に混ぜる)、生クリーム・砂糖・卵白(かぼちゃプリンに使用)、レバー、砂肝、時々馬刺しや鹿肉、肉まんの皮、亜鉛&鉄、マルチビタミンのサプリメントというのがメリーの摂っている栄養です。

肉まんの皮を食べられなくなった時に次に食べてくれそうな炭水化物類が見つかりません。
脂質をこれ以上増やすのは現実的ではないし…それを考えると怖いです。
もちろんメリーが食べたがる以上は何か探すけれど…
また一巡してごはんとかポテトを食べられるようになるのを祈るしかありません。

薬は、ネフガードという活性炭で身体の毒素を少しでも吸着させるというサプリメントと、
リン吸着剤です。投薬のタイミングが違うため1日5回の投薬タイムがありますが、
幸いにもメリーはかぼちゃプリンだけは目でちょーだいちょーだいと追うほど大好き
(今のところ…)。薬がその中に含まれていることには気づいていないようです(笑)。

体重は食べられなくなる前と同じ8kgを維持、
徐々に体調は悪化していくと聞いているものの、病気が発覚して今までのフードが
食べられなくなってから早5ケ月…現在は横ばいの状態を何とか保っています…。
でも急に食べなくなることもあり、先はわからないなぁという感じはずっと続いています。

とは言え、メリーは15歳。

小さい時からアレルギーが酷く、馬肉ベースのオーダーメイドフード以外、
一切別のおやつも食べずに、ここまで長生きしてくれました。
心臓が悪くてペースメーカーまで付けていて、しかもブルテリアとしては驚異的な長生き!

今は好きなもので、かつメリーの今の身体にとって必要なものだけを、
なるべく楽しく食べて余生を過ごして欲しいと思っています。
○を付けたものも毎日食べられるわけではなく、
食べたいもの、食べれるものが毎日変わるメリーにのんびりと足並みを揃えながら、
嫌なこと、つらいことはナシの余生を過ごさせてあげられるように…。

今まではずっとずっとメリーに助けられてばかりだったから、
少しだけ私にも手助けさせてね。
がんばらなくていいから、あとは好きなものだけを食べて暮らそうね。

メリー、ありがとう。

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メリーを赤ちゃんの頃から可愛がってくれている旧い友達が遊びに来てくれて、
かぼちゃプリン用のかぼちゃ、メリーの好きなイチゴ、
お花、お手紙、枕などをプレゼントしてくれました。
ありがとう…メリーはみんなに可愛がられて本当にしあわせものだね…。



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by tomo_loves_merry | 2013-01-28 22:30 | 最新のメリー
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